【1】

masayaと逢うのは一月ぶり。

彼は普通に何ごともなかったかのように、転勤で引っ越してしまって、
あたしは最初は淋しくて仕方がなくて、本当は結構ひとりで泣いていたりした。
それでも彼は相変わらずテキトーなメールを毎日送ってくれて
やっと、彼が近くに居ない生活に慣れて、masayaは嘘をつくような人でなしではないこともちゃんとわかって来たので、泣く事も少なくなって、落ち着いたというところだった。

デートの前日。
ひさしぶりに逢う事にドキドキして、
何を着て行こうか、逢ったら最初に何を言おうか
そんな事を考えて眠れなかった。

朝、起きるとメールが2通。

新幹線を待っています。
眠いよ。

それを見たとたん、ああ、本当に今日逢えるんだと思う。

いろいろ考えて、結局は黒の躯にフィットしたTシャツと
ヒップハングのタイトなブラックジーンズ。ほんとに普通の格好。
家を出たのは午前9時半を過ぎていた。
本当はもっと早くに出たかったんだけど、結局いろいろな用事をしていたのでこれが精一杯。
メールで連絡を取る事も、家にいると出来ない。

最寄り駅まで行って、慌てて電車に乗りこんで、やっとメールを送る。

「10:18 ○○着。」

最寄りの駅から待ち合わせ場所までは、8分しかかからないが、発車までの時間がこれほどもどかしいと思った事ははじめてだった。動き出した電車の窓から外を見るが風景が目に入って来た。久しぶりだとあたしは思う。masayaと離れてから、彼と一緒に行動した場所にはあたしは極力足を踏み入れてなかったから。
待ち合わせ場所の駅にもう着くころにメールが入った。

ついたかあ?

相変わらず素っ気無いメール。でもいつもそうなので、慣れてしまった。
そして…なんか嬉しい。

待ち合わせ場所の駅の改札を出てもmasayaの姿は見えない。
メールを送ってみる。
電話をかけてみる。あれ?出ない?
不安になって、もう一度メールを送った。

「今どこ?」

すぐに電話がかかってくる。

「もう部屋だよ。下までおりる。」

もうすぐ本当に逢えるんだと思うと、鼓動が少し早くなったような気がした。


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